ほっといてくれ

１年３か月振りの学童バイトだ

お久し振りでどうすればいいのか

自分で決断したのに「行きたくない」

家出したかったし

お小遣い稼ぎのお仕事もしたかったけど

さて、決まってみると

行きたくない

行きたくないけど行かなくちゃいけない

そして上履き、買わなくちゃ

ご近所の商店街の靴屋さんに行ってみたら

あれれ？自転車の後輪がパンクしてた

このまま走るわけにはいかないので

延々歩いて自転車屋さんに

行ってみると閉まってた

でも、さっき自転車ですーーっと行ったのは

確かに自転車屋さんのおにいさま

そして、自転車を押して歩くあたくしをちらりと見た

ってことで、お店の前で待ってみよう

５分くらい待つとおにいさまが戻ってらした

良かった

パンクの修理をお願いして

「30分くらいですね」

30分。時間潰しのお店もないし

てくてく帰ろう

途中で今日の夕食のカレーのお材料の

にんじんとおじゃがとカレールーを買って家に帰ると

奴はお昼寝中

ふーーーん

ちょっと休んで自転車屋さんに

てくてく行こう

そしてまたもや靴屋さんに

いいのが、ない

トイレットペーパーと洗剤を買って

違う商店街のスーパーへ

お魚を買って

やれやれ帰ろう

お店を出たら自転車が倒れてた

よっこら起こして

さて帰ろう

家に帰ると奴は起きてた

あれこれを話すと

「そんなこともあるよ」

そうじゃない

「たいへんだったね」

そのくらいのことは言ってほしいのよね

夕食のカレーは奴が作ると言った

チキンカレーは上手にできました

食べ始めて、食べ終わるまで

ずっと褒めてなくちゃいけない

「おいしいわ」

「鳥も柔らかいし」

「おじゃがもちょうどいいわよ」

いつもそうなんだ

してくれたことに対して

ずっとお礼の気持ちや感謝を伝え続けなくちゃいけない

面倒だったらありゃしない

「自分でできるからあたくのことはほっといて」